生きる映画の撮り方
    2009.10.31 [ Sat ] 2:49

「...嘆きの天使の表紙の山田さん美人ですね」

 

「化粧ですよ、化粧」

 

謙虚なお方と思った。それから何回か電話のやり取りをした。

 

ある日、山田さんから

 

「マン・レイ展を見ようよ」

 

とお誘いがあった。

 

有名漫画家とデートか!どきどきした。

 

渋谷ハチ公前で待ち合わせすると無表情の山田さんが待っていた。

 

渋谷文化村の会場に向かうまで山田さんは無言だった...。

 

そしてマン・レイ展を一通り見ると

 

「では帰ります」

 

と帰ってしまった!全く会話の無い初デートだった。

 

ある時は出版社のパーティでお会いした。

 

山田さんはかなり酔っ払ってて上機嫌で、饒舌だった

 

唐突に

 

「テレビの鳥人間コンテストって人が死んでるんですよ!」

 

と楽しそうに話してきた。

 

あたしは何と反応していいのか判らなかった...。

 

また別の日には急に電話で

 

「今度舞台をやるので観に来てください」

 

と知らされた。それも年末の12月30日だった...。

 

高田馬場の小さなライブハウスに行くと無表情の山田さんが現れた。

 

歌を歌うのか演劇かと思っていたあたしは面食らった!

 

演目は何とコントだった!

 

それも一人で何役も演じている。内容はこんな感じだ。

 

お父さん「おい花子、最近成績悪いぞ」ひげをつけて演じる。

 

お母さん「そうね」ひげを取ってエプロンを巻く。

 

花子「すみません」ひげとエプロンを取る。

 

舞台上の、その着替えに結構時間がかかる。

 

そうしたやりとりが延々と続いた!

 

それも12話くらいあった。

 

途中で「もうすぐ終わります。もう少し我慢して下さい」

 

と観客に諭すが客席はシーンと静まり返っている。

 

こんなに重いコントを観たのは初めてだった!

 

楽屋に挨拶に行こうと思ったらいつの間にか山田さんは帰っていた。

 

ある日電話があった

 

「私を舞台に出して下さい!」とあたしの舞台への出演依頼だった!

 

続く。


魂のアソコhttp://6929.teacup.com/zeeko/shop

 A3-e2.jpg
魂のアソコ

remote-buy-jp4._V45728038_.gif

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧:
生きる映画の撮り方
このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメントする





ライター/シャンソン歌手/映画監督

さそり

小学生時代は天才・神童だったが中学時代、頭をぶつけて馬鹿になる。コードネーム「ジーコ内山」として大川興業、竹中直人の弟子を経て俳優になり映画『ファンシイ・ダンス』『マルタイの女』『呪怨2』『日本以外全部沈没』『ギララの逆襲』『伝染るんです』等出演。鳥肌実主演『魂のアソコ』、アーバンギャルド『天才馬鹿』、津田寛治『スコーピオン&スネーク』、しじみ(持田茜)『カルト・ムービー』監督。